“紙で管理したい”という気持ちの裏にある、ほんとうの理由


紙で管理したい…その言葉の裏には、ただの「慣れ」だけではなく**“安心感”**が隠れています。
紙とデジタル、それぞれのメリット・デメリット、そして現場で感じた本音と解決のヒントをお話しします。


「紙の方が安心」…本当にそれだけでしょうか?

「紙の方がやっぱり安心でね」
この言葉、私はこれまで何度も耳にしてきました。

でも本当にそうでしょうか?
今日は、紙で管理するという選択の裏にある**“人の気持ち”**と、 **“デジタルで管理するメリット”**について、現場の経験をもとにお伝えします。


紙文化の現実:管理の限界と不安定さ

以前、私は紙で発注書や指図書を管理する会社に勤めていました。
棚にはどんどんファイルが積み上がり、保管スペースは常にパンパン。

「これ、いつまで残す?」 「捨てていいのか、あとで確認が必要?」

そんな曖昧な状態が日常で、結局1年ごとに書類をまとめて破棄していました。

つまり、「すべてを紙で残す」は現実的ではないのです。
そして、紙であるがゆえに情報が埋もれてしまう、探しにくい、劣化するといったリスクも見逃せません。


デジタル管理の快適さと“その壁”

現在の私は、完全にデータ管理派です。
Google ドライブやスプレッドシートを活用し、業務に必要な情報をすっきり整理しています。

フォルダの構造とタイトルさえ工夫すれば、
キーワード検索だけで瞬時に目的のファイルにたどり着ける──これは紙ではなかなか実現できない快適さです。

例えば、過去の取引先の指図書を探したいとき、ファイル名に「得意先名_日付_品番」などとルールを設けておくだけで、 数年分の履歴でも1秒で呼び出せる。

例えば、検索窓に”品番”を入力するとそれが格納されているスプレッドシートやPDFなどを検索することも可能です。
これは全てのデータをクラウドで管理しているからこそできることです。

しかし、それでも現場ではこうした声が上がります。

  • 「クラウドって、どう使えばいいの?」

  • 「PDF化してアップロードするのが手間で…」

このような“ちょっとした不便”や“操作への不安”が、デジタル導入を妨げている現実もあります。


「手元にある」ことが与える安心感

私が現場で感じるのは、**紙へのこだわりの本質は「安心感」**ではないか?

  • めくれる

  • 目に見える

  • 触れられる

この“物理的な接触”が、「ちゃんと確認できた」「ちゃんとある」という感覚を与えてくれるのです。

そしてもう一つ忘れてはならないのが、「変化すること」そのものへの不安です。
新しいことへの抵抗感。これも“紙に戻りたい”という心理につながっているのです。


「安心できる導入」こそ、業務改善の第一歩

私が考えるに、現場でDXを進めるときに必要なのは、
**ツールの導入そのものより、「使う人の気持ちに寄り添うこと」**です。

たとえば、Google WorkspaceやAppSheetを使えば、

  • ワンクリックでPDFを生成し、自動でフォルダに格納

  • スマホから写真を撮るだけで書類化

  • 検索性を高めたデータベースの構築

など、「紙以上に使いやすく、安心できる仕組み」がつくれます。

それでも現場で「不安」「わからない」がなくならないのは当然です。 だからこそ、**一人ひとりが安心して使える“プロセスの設計”**が重要なのです。


まとめ:紙の安心感を、デジタルでの便利さのバランスを探る

紙で管理したい——その言葉の裏には、 **「知らないことへの不安」と「慣れた安心感」**があります。

だからこそ、便利さの前に、“信頼できる”と感じてもらえる導入が大切です。

私がお伝えしたいことは
紙に頼らなくても、“安心”はちゃんとつくれる。
だけどすべてをデータ管理する必要はない!!
紙で管理する方が良いこともある!
ということ

矛盾してますね…笑

繊維の場合、糸や生地、色見本のサンプルの保管が必要になります。
このような場合は、印刷された指図書に貼り付ける方が管理しやすいこともあります。

紙とデジタルの使い分けはバランスが大切です。
極端である必要はありません。
皆さんの会社に合ったバランスを試行錯誤して見つければいいのです。

紙で残すもの、データ管理するもの、皆さんの最適を一緒に考えます──まずは一歩、私とお話ししてどのような情報があるか書き出してみませんか?

デジタル導入・業務改善の進め方についてご相談があれば、お気軽にお問い合わせください!

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