企業の業務改善やDXを進める際、多くの方が「どんなデジタルツールを導入すればいいのか?」と考えがちです。しかし、実際に最も効果的なのは、「やるべきこと」ではなく**「やらないこと」を決めること**です。
なぜか続けている業務がないか?
企業には、「何となく続いている業務」が数多くあります。例えば、以下のようなものです。
- 昔からの慣習で続けているが、実は不要な作業
- 手作業で行っているが、デジタル化すれば不要になる業務
- 目的が曖昧な報告業務や会議
このような業務が増えると、従業員の時間とエネルギーが奪われ、本来やるべき業務に集中できなくなります。
足し算思考の罠に陥っていませんか?
業務改善を考える際、多くの企業は「何かを追加する」ことで問題を解決しようとします。これは**「足し算思考」**と呼ばれるものです。
例えば、以下のようなケースがあります。
- 売上を増やすために営業に日報を義務化 → 結果的に営業の負担が増え、肝心の営業活動に時間を使えなくなる
- ミスを減らすために確認プロセスを増やす → 確認作業が煩雑になり、逆にミスが発生しやすくなる
このように、何かを加えることで業務効率が低下することはよくあります。
実際に「やらないこと」を決めた事例
実際に、「やらないことを決める」ことで業務改善を実現した例をご紹介します。
以前、勤めていた会社の話です。
所属部署は月に2回、2時間ずつの会議を実施していました。
しかし、2回目の会議はほぼ内容が重複しており、2時間をただ過ごすだけの時間になっていました。それに加え、議事録作成の時間なども含めると、毎月4時間以上が無駄になっていたのです。
なぜ2回の会議が必要だったのか?その理由を探ると、「売上の進捗を確認したい上司のため」だけだったことが分かりました。
そこで、私は以下の対策を実行しました。
- 会議を月1回に削減
- 議事録の作成時間を「1時間×2回 → 10分×1回」に短縮
- 会議の進行を見直し、ダラダラと終了時間を超えることを防止
- ファシリテーターとして目的を明確にし、会議を1時間半~2時間以内で終わらせる
これにより、不要な業務を削減し、本当に必要な仕事に集中できる環境が生まれました。
必要なのは「引き算思考」
本当に効果的な業務改善とは、「何をやめるべきか?」を見極めることです。つまり、**「引き算思考」**を持つことが重要になります。
- 不要な業務を洗い出し、削減する
- デジタルツールを活用し、業務を自動化・省力化する
- 属人的な作業を減らし、チームで効率的に業務を回す仕組みをつくる
やらないことを決めることで、やるべきことに集中する時間とエネルギーが生まれます。
デジタルツールは「減らすため」に活用する
DXやデジタルツールの導入は、「業務を増やすため」ではなく「業務を減らすため」に活用すべきです。
例えば、以下のようなツールを活用することで業務を削減できます。
- Google Workspace を活用して、紙の書類作業をなくす
- AppSheet を活用して、手入力の業務を自動化する
- スプレッドシート で在庫管理を簡素化し、無駄な確認作業を減らす
このように、デジタルツールは「新しい業務を増やすため」ではなく「不要な業務を削減するため」に活用するのが正しいアプローチです。
まとめ
業務改善の鍵は、「やるべきこと」よりも**「やらないこと」を明確にすること**です。足し算思考ではなく、引き算思考を意識し、不要な業務を削減することが生産性向上につながります。
そのために、デジタルツールを活用し、業務をシンプルにすることが大切です。
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